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【東方神起小説】チーズ・イン・ザ・トラップ #1

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「本日付けで海外事業部に移動です」

突然人事部に呼ばれたかと思ったら、急に移動を命じられた。この会社に入ってから5年。社内誌の編集チームで細々とやってきた私にとって、世間的には栄転、と言わんばかりの衝撃だった。

「配属はチョン部長のチームになります」

「あの…、よく理由が分からないんですが…、英語もできない私が、なんで海外事業部に…?」

「私も理由はよくわかりませんが、チョン部長が前々から希望を出されていたようですよ?」

ありえない人事異動に加えて、あの"完全完璧主義者"の下で働くなんて、真夏の青空が急変して、雪が降ってもおかしくない状況。

「私…、チョン部長と話をしたこともないです…」

「直接、聞いてみてはいかがですか?」

冷たくあしらわれると、私はさっさと仕事に行けとばかりに部屋を追い出された。

急ぎ足でデスクに戻り、"以前"のチーム長に問いただす。

「栄転じゃないか。入社5年で花形部署に異動なんて、俺が変わりたいくらいだよ」

「そうじゃなくて…」

ユノ「今日から海外事業部に移動のはずなんだけど、聞いていないのか、君は」

ゆっくりと声が聞こえるほうを振り返る。

ユノ「仕事が溜まってるんだ。急いで荷物をまとめてきてほしい」

「…はい…」

「…お前…、チョン部長とヤッたのか」

「…何の話ですか?」

近くにあった段ボールに、無理やり荷物を投げ込み、理由も分からないまま海外事業部に向かう。

ビルの高層階にある事業部は、編集チームのフロアとは全く違った雰囲気だった。

チャンミン「こっちですよ!」

段ボールの向こう側から、誰かが手招きをしている。書類のせいで顔はよく見えないけど、声の聞こえるほうに向かった。

チャンミン「急な移動でびっくりしたでしょう。僕はシム・チャンミン。チョン部長と同じチームで仕事してます」

「あ…よろしくお願いします…」

手にもっていた段ボールを取り上げられ、ようやく彼の顔を見ることができた。


「彫刻…」

チャンミン「え?」

「なんでもないです…」

社内では"彫刻王子"なんて呼ばれている、シム・チャンミンだ。

チャンミン「部屋、こちらです」

事業部が入っているすぐ隣が、部長の部屋になっている。事業部の社員たちが、こちらを見ながら様子をうかがっている。

「失礼します…」

部屋の中では部長が忙しそうに資料を見ながら電話をしていた。